日本臨床検査医学会 Japanese Society of Laboratory Medicine

第1回医学生・若手医師のための臨床検査ハンズオンセミナー

2018年度から開始される新専門医制度では、臨床検査は基本領域の一つとなっています。しかし、臨床検査(専門)医の業務は、多くの学生・医師にとってなじみの薄いものかもしれません。そこで、日本臨床検査医学会では、今回初めて学生や若手医師を対象とした臨床検査ハンズオンセミナーを企画しました。臨床検査(専門)医の業務内容やキャリアパスについて知っていただくとともに、臨床検査の楽しさに触れていただくことが主な目的です。

概要
 主 催:日本臨床検査医学会 ワークライフバランス委員会
 共 催:日本臨床検査医学会教育委員会、日本臨床検査専門医会
 日 時:平成29年8月27日(日) 13時~17時30分
 会 場:東京大学医学部附属病院 検査部医局、腹部エコー室
 受講料:無料(セミナー、懇親会ともに)
 対 象:医学生、医師
 定 員:10名(学会ホームページ等で募集し、先着順)
 参加者:10名(医師3名、学生7名)
 スタッフ:医師15名(うち臨床検査専門医11名)、臨床検査技師6名

ポスター  プログラム

セミナーの様子
1.開講式
参加者の皆さんには、東大病院検査部医局に集合していただきました。五十嵐岳先生(聖マリアンナ医科大学)の司会進行のもと、矢冨裕先生(日本臨床検査医学会理事長、東京大学)からご挨拶をいただき、セミナーがスタートしました。

2.自己紹介
参加者の皆さんに、思い思いに自己紹介していただきました。

3.講演「臨床検査専門医のキャリアパス」
山田俊幸先生(日本臨床検査医学会副理事長、自治医科大学)から、臨床検査専門医のキャリアパスについてご講演いただきました。臨床検査専門医がどのような仕事をしているのか、わかりやすく話していただきました。

4.東京大学医学部附属病院検査部の見学
参加者の皆さんには、東大病院検査部の検査室を見学していただきました。スタッフとして参加された他大学の先生方も、興味津々で見学されていました。

5.顕微鏡&バーチャルスライドで学ぶ血液疾患の診断
休憩&おやつの後、血液形態学の講義・実習がスタートしました。前半は末梢血液像や骨髄像の見方・考え方について、増田亜希子先生(三井記念病院)にレクチャーしていただきました。後半は4症例の鏡検実習を行いました。2グループに分かれて、各自顕微鏡やパソコンを1台ずつ使用し、造血器疾患の診断のポイントについて学んでいただきました。田部陽子先生(順天堂大学)、増田先生、西川真子先生(東京大学)、常名政弘技師(東大病院)から、懇切丁寧な指導が行われました。

6.腹部エコーハンズオンセミナー
会場を腹部エコー室に移して、腹部エコーのハンズオンセミナーがスタートしました。最初に、佐藤雅哉先生(東京大学)からレクチャーがありました。その後、2名1組となり、腹部エコーのスクリーニング検査について実習形式で学んでいただきました。東大病院検査部の医師5名、臨床検査技師5名から、マンツーマンで指導が行われました。予定時間をオーバーするほど、白熱した実習が行われました。

7.懇親会
セミナーは終始和やかな雰囲気で進行し、盛会のうちに終了しました。セミナー終了後、検査部医局で懇親会が行われました。ケータリングのオードブル、ピザ、パスタ、ビールやソフトドリンクなどが並びました。スタッフの医師、臨床検査技師、参加者が交流を深めました。


セミナー後のアンケート集計結果
セミナー後に実施したアンケートでは、10名中9名が「大変良い」、1名が「良い」と大変ご好評をいただきました。血液形態のケーススタディや腹部エコーのスクリーニング検査など、勉強になったという声が多く聞かれました。アンケートの集計結果は、今後の企画の参考とさせていただく予定です。
ご協力いただいたスタッフ並びにセミナーにご参加いただいた皆様、ありがとうございました!
(文責:セミナーの企画・運営担当 A.M.)


セミナーの様子 (左上)キャリアパスの講演、(右上)血液形態実習、(左下)腹部エコー講義、(右下)懇親会