第2回医学生・若手医師のための臨床検査ハンズオンセミナー
2018年度から開始された新専門医制度では、臨床検査は基本領域の一つとなっています。
しかし、臨床検査(専門)医の業務は、多くの学生・医師にとってなじみの薄いものかもしれません。そこで、日本臨床検査医学会では、昨年に引き続き、学生や若手医師を対象とした
第2回臨床検査ハンズオンセミナーを企画しました。臨床検査(専門)医の業務内容やキャリアパスについて知っていただくとともに、臨床検査の楽しさに触れて頂くことが主な目的です。
沢山のご応募ありがとうございました。
概要
主 催:日本臨床検査医学会 ワークライフバランス委員会
共 催:日本臨床検査医学会教育委員会、日本臨床検査専門医会
日 時:平成30年8月19日(日) 13時~17時30分
会 場:東京大学医学部附属病院 検査部医局、腹部エコー室
受講料:無料(セミナー、懇親会ともに)
対 象:医学生(5.6年生)、初期臨床研修医
定 員:12名(学会ホームページ等で募集し、先着順)
参加者:12名(医師7名、学生5名)
スタッフ:医師9名(うち臨床検査専門医8名)、臨床検査技師3名
ポスター
プログラム
セミナーの様子
1.開講式
五十嵐岳先生(聖マリアンナ医科大学)の司会進行のもと、田部陽子先生(日本臨床検査医学会 ライフワークバランス委員会委員長、順天堂大学)からご挨拶をいただき、セミナーがスタートしました。
2.講演
「臨床検査専門医のキャリアパス」
山田俊幸先生(日本臨床検査医学会副理事長、自治医科大学)から、臨床検査専門医のキャリアパスについてご講演いただきました。検査データ保証に関する検査専門医の重要な役割や、検査専門医の働き方の柔軟性の高さ、新専門医制度の仕組み、研修内容などについて、わかりやすくお話しいただきました。
3.自己紹介
参加者の皆さんに、セミナー参加に至った経緯などを含め、自己紹介していただきました。
4.顕微鏡で学ぶ血液疾患の診断
前半は末梢血液像や骨髄像の見方・考え方について、増田亜希子先生(三井記念病院)にレクチャーいただきました。後半は増田先生、西川真子先生(東京大学)の指導のもと、鏡検実習を行いました。各自顕微鏡を1台ずつ使用し、造血器疾患2症例の診断のポイントについて学びました。
5.感染症ケーススタディー
上蓑義典先生(慶應義塾大学)を講師として、感染症ケーススタディーが行われました。臨床像や喀痰グラム染色の鏡検像などから、診断名や原因微生物名の考え方を学びました。同席していた他の講師陣も巻き込んだ、白熱したグループディスカッションになりました。
6.東京大学医学部附属病院検査部の見学
参加者の皆さんには、東大病院検査部の検査室を見学していただきました。採血室から各検査室への検体の流れや、臨床検査専門医の仕事場を見学しました。
7.腹部エコーハンズオンセミナー
会場を腹部エコー室に移して、腹部エコーハンズオンセミナーがスタートしました。浅井さとみ先生(東海大学)、五十嵐先生をはじめとした講師5名の指導のもと、3名1組の4グループに分かれ、実習を行いました。参加者自身にプローブを握ってもらい、腹部臓器の描出手技を学びました。
8.懇親会
セミナー終了後、検査部医局で講師陣と参加者の懇親会が行われました。食事を交えながら、セミナー中に聞けなかったことなどを講師に質問したり、参加者の意見交換などが積極的に交わされました。盛会のうちに全プログラムが終了しました。
セミナー後のアンケート集計結果
セミナー後に実施したアンケートでは、12名中6名が「大変良い」、6名が「良い」と大変ご好評をいただきました。複数の分野について実習を交えて学ぶことができ勉強になった、という声が多く聞かれました。アンケートの集計結果は、今後の企画の参考とさせていただきます。
ご協力いただいたスタッフ並びにセミナーにご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
セミナーの様子 (左上)キャリアパスの講演、(右上)血液形態、(左中)感染症、(右中)腹部エコー、(下)懇親会にて