日本臨床検査医学会 Japanese Society of Laboratory Medicine

第5回研修医・医学生のための臨床検査ハンズオンセミナー 開催報告

新専門医制度では、臨床検査は基本領域の一つとなっています。
しかし、臨床検査(専門)医の業務は、多くの学生・医師にとってなじみの薄いものかもしれません。そこで、日本臨床検査医学会では今年も、学生や研修医を対象とした第5回臨床検査ハンズオンセミナーを企画しました。臨床検査(専門)医の業務内容やキャリアパスについて知っていただくとともに、臨床検査の楽しさに触れて頂くことが主な目的です。 Webセミナーとしては初の開催となり、学会員の先生方にもご視聴いただきました。
沢山のご応募、ご参加ありがとうございました。

概要
 主  催:日本臨床検査医学会 ワークライフバランス委員会、近畿支部
 共  催:日本臨床検査医学会教育委員会、日本臨床検査専門医会教育研修委員会、日本医師会
 日  時:2021年8月1日(日) 13時~17時
 開催形式:Webセミナー
 受 講 料:無料
 対  象:医学生(5.6年生)、初期臨床研修医
         (転科や臨床検査専門医取得を検討中の若手医師、医学4年生の参加も歓迎)
 参 加 者:82名(うち学生6名、初期研修医8名、専攻研修医6名)

プログラム

セミナーの様子
1.開会の言葉
西川真子先生の司会進行のもと、村上正巳先生(日本臨床検査医学会理事長) からご挨拶をいただきました。

2.講演1「臨床検査専門医のキャリアパス・大学病院の専門医業務紹介」
田部陽子先生から、臨床検査専門医のキャリアパス、順天堂病院の専門医業務についてご講演いただきました。若手へのサポートを含めた臨床検査専門研修プログラム、ライフイベントと両立して活躍されている女性臨床検査専門医のキャリアパス実例もご紹介いただきました。

3.講演2「市中病院の専門医業務紹介」
朝比奈彩先生から、市中病院で働く臨床検査専門医の業務実例や、職場での取り組みをご紹介いただきました。

4.RCPC
五十嵐岳先生の進行のもと、Web参加型RCPCを行いました。参加者4名+講師1名のグループでディスカッションし、事前に提示した課題の考察から症例の病態を読み解くプロセスを学びました。RCPC症例の提示、解説は松本剛先生、グループディスカッション講師は橋口照人先生、菅野光俊先生、浅井さとみ先生、赤坂和美先生、朝比奈彩先生、柿添英文先生にご担当いただきました。

5.感染症セミナー
長尾美紀先生から、感染症分野における診断・治療の適正化にかかわる検査の重要性と意義、臨床検査専門医の役割と感染症診療ケーススタディーのご講演をいただきました。

6.閉会の言葉
山田俊幸先生(日本臨床検査医学会常任理事)からご挨拶をいただきました。

7.臨床検査専門研修、臨床検査専門医についての質疑応答
参加者から質問やセミナーの感想等を伺いました。参加者からは臨床検査専門医の業務やキャリアパスについて、生の声を聴くことが出来ました。Webセミナーとしては初の試みでしたが、満足度の高いセミナーを開催することができました。

セミナー後のアンケート集計結果
セミナー後に実施したアンケートでは、53.2%が「大変良い」、42.6%が「良い」、4.2%が「普通」と、大変ご好評をいただきました。参加者の感想をご紹介します。
・参加型であったため、積極性をもって臨めました。
・事前課題を含め非常にスムーズな流れで学ぶことができた。
・検査データの読み方を事前に提示され検討する時間があり、考察が深まった。
・数人でグループを作ってディスカッションする方式も良かった。
・個人的にはWebの方が気楽で参加しやすかった。
・既に臨床検査専門医の私も非常に勉強になった。また若い先生のディスカッションにも触発された。
・実際にRCPCに取り組むことで、検査の面白さを実感することができた。臨床検査専門医のについても、先生方の生の声を伺うことができて良かった。
アンケートの集計結果は、今後の企画の参考とさせていただきます。 ご協力いただいた先生方、並びにセミナーにご参加いただいた皆様、ありがとうございました。