臨床検査専門医の声
転職組の臨床検査医
(M医師)
私は、あまり考えのないままに内科に所属してトレーニングを受け、専門の内科医として仕事をしていました。研究期間を経て、縁あって臨床検査学に所属しています。現在は、内科医時代の専門性を使いながら検査業務を行っております。
臨床検査医学の日常業務は、正しい検査結果を報告することで患者さんの診療の一助になることです。内科医だった時にも担当患者さんの報告書を書いたりしたことがありました。この時は検査をオーダーした意図に加え有形無形の患者さんの情報が分かっていますので、結果報告がどう診療に反映されるか、よく理解できていました。臨床検査医としての診断業務では、診療で直接接しない患者さんの検査結果の報告を行います。その時には内科医の時の経験をもとにして、検査依頼伝票や電子カルテに記載された情報から想像を膨らまして必要な情報を考え、報告書を作成しています。臨床医業務の基本は臨床推論とその解決です。そこに専門性を活かせることに、大きなやりがいを感じております。
検査業務における直接的なcustomer は医師をはじめとする医療者です。外来や病棟での経験は、検査をオーダーした医師と実際に検査業務を行う臨床検査技師との間の連携に役立ちます。検査業務に慣れてくれば、臨床検査技師や検査室としての考え方を診療側に十分に配慮しながら伝えられるようになります。特に検査結果の報告については、どのようにしたら担当医に有効に活用してもらえるか考えております。検査医としての意図が主治医にうまく伝わった時には医療チームの一員であることを実感します。
せっかく仕事として選択した診療科でも、続けることが難しいことがあります。臨床検査医学では、これまでのキャリアを活かして業務を続けることができるかもしれません。そんな悩みのある場合には、是非各施設の臨床検査医学の先生に一度ご相談してみて下さい。きっと新しい道が見つかると思います。